社長アサノ社長アサノ

小さな工務店の会員様の場合、フォームなどのメールからのお問い合わせよりも、電話からのお問い合わせが多くなるように工夫をしています。過去のデータから小さな工務店様の場合メールからのお問い合わせよりも電話によるお問い合わせのほうが、圧倒的に成約率が高いからです。

工務店会員様3社を売上げ・規模別に一ヶ月のコンバージョンをご紹介しながら解説してみます。

※電話のお問い合わせ数に関しては、ホームページの電話リンクをスマホでタップされた数を計測したものです。電話リンクをタップをしてやっぱり電話はやめよう、間違って押してしまったということもあるかもしれません。電話がかかる、かからないに関わらず計測されています。逆にホームページの電話リンクをタップしないで直接電話番号入力する方もいるので電話による問い合わせ数は、下のグラフだけでは正確性に欠けるところはありますが、同様の傾向ですのでご参考にしてください。

① リフォーム専門店 売上げ1億円未満/年 従業員1人

社長一人で営まれているリフォーム専門店です。2018年は過去最高の利益だそうでコンサルタント冥利に尽きます。社長自らSEO対策を行い、さまざまなキーワードで検索結果上位表示しています。ブログ、フェイスブックも定期的に更新しています。毎月DM送付していますが、有料の広告、グーグルアドワーズや新聞折込、雑誌広告などは一度も行なっていません。見学会等のイベントも一切行っていません。

例年、11月は比較的問い合わせが少ないですが、1年を通してお問い合わせのほとんどは見積もりなどの電話による問い合わせです。ホームページの電話リンクタップ以外にも直接電話によるお問い合わせが結構あります。

②工務店(注文住宅5・リフォーム5) 売上げ3億円/年 従業員4名

見学会などのイベントがあるときは問い合わせが増えますが、一年を通してグラフ値より若干多い程度です。毎月DMを送付しており、イベント時には積極的に紙媒体広告やグーグルアドワーズを利用しています。電話での問い合わせの多くはリフォームに関係することで、メールによるフォームからの問い合わせは平均すると1~2件/月程度です。

③工務店(注文8リフォーム2) 売上げ7億円/年 従業員12名

 

 

月1程度で見学会を開催、グーグルアドワーズやチラシ広告を積極的に行なっています。有料のポータルサイトも利用しています。1年を通してグラフのような比率でお問い合わせがあります。工務店様の場合、このぐらいの規模になってきますと、フォームからの資料請求者を集めることがホームページの大きな役目になってきます。また見学会などの予約もお問い合わせフォームから申し込みがあります。

工務店、実際のCVRは請負契約締結

①のリフォーム専門店と②の工務店は、時期の問題もありますが、メールによるフォームからのコンバージョンがさほどありません。コンバージョン率(CVR)を高くするだけならメールによるお問い合わせを増やすことは出来ますが、請負型ビジネスの工務店様の場合、実際のCVは、請負契約締結です。メールからのお問い合わせを増やしても多くは、比較検討したいというご相談がほとんどで小さい工務店様の場合、社長様が営業、現場管理、積算などさまざまな業務を兼務している場合が多いため、比較検討だけのお問い合わせは大変煩わしいものです。

また③の工務店は毎月安定した数の資料請求がありますが、①のリフォーム専門店、②の工務店も資料請求ページはありますが、一年を通して資料請求はさほどありません。(無いわけではありません)

小さい工務店はアポ取得が大きなハードル

請負型ビジネスの工務店様が資料請求を期待するなら、資料請求後のアポイントメントをどうするか考える必要があります。③の工務店のように、毎月見学会を開催できる規模の工務店の場合は、アポイントメントの取りかたはプル型、プッシュ型ともさまざまな方法が考えられますが、小さな工務店の場合、アポイントメント取得に大きなハードルがあります。

資料請求をしたユーザーの心理からすれば、次はお家を見たいと思うでしょうし、資金計画を考えたいとも思うわけです。一つずつハードルをクリアしていく感じです。

当社の会員様だけのデータですが、電話によるお問い合わせは、ある程度のハードルをクリアした方、もしくは他社でハードルをクリアしている最中に違和感を感じた方が多い傾向です。多忙な小さな工務店様の場合、すでに一定のハードルをクリアしているお客様からのお問い合わせが何よりありがたいのです。工務店を小さく営まれている方ならご理解いただけるのではないでしょうか。

請負型ビジネスなら小さい会社でも強い企業体質

当社にコンサルティングをご依頼いただくのは③の工務店以上の比較的組織としてカタチになっている規模の企業が中心となっていますが、別に大きい会社が偉いわけではありません。経営者の方にしっかりした考えがあれば業務拡張することは良いことですが、何より社長をはじめスタッフのサラリーが満足するにはどうしたらよいか第一にご提案しています。規模が大きいから安心できる企業という考えは昭和の考えです。定価のあるものを仕入れて値決めするビジネスと違い、請負型ビジネスだからこそ小さい会社でも強い企業体質にすることが出来ます。

もしあなたの周りで会社を大きくしていかないと生き残れないと言ってる方がいるなら、それは言っている方の思惑であり、根拠の無い勝手な都合です。

3億円の工務店社長さんの給料より、30億円の売上げのある建設会社の社長さんの給料のほうが少ない人を知っています。従業員の給料も同様です。

まとめ 小さい会社は、ムダをなくそう

小さく好調な工務店様は無駄な動きをしません。必要かそうでないかよく考え、必要なことだけに労力を注ぎます。その一つがお問い合わせの質といえます。小さい工務店様は、一般的に商圏も小さいです。小さい商圏で闇雲にお問い合わせや資料請求を増やしても、フォローできなければ、全くのムダになります。決まったパイの中では命取りになりかねません。

小さな会社と大きな会社では、お問い合わせの集め方が違うのが当たり前と思うのが、長年コンサルティングを行なってきてはっきりいえることです。

 

小さい会社と大きい会社は学ぶことが同じではいけないのです。

 

浅野 幸延浅野 幸延

この記事の監修 : 浅野 幸延 (建築士/コンサルティング・広告全般担当)プロフィール