3月12日のグーグルコアアップデート以降、検索結果もずいぶんと落ち着いてきましたね。Googleはこれまで何度も公式に、検索意図に沿ったウェブページの順位が上がるようになり、それはクエリ(検索キーワード)と関連性の高いページの順位が上がるという意味ということを発表しています。
しかし、どのようなアルゴリズムで検索意図に沿ったページのなのか、クエリと関連性が高いページなのかをどのように判断しているのかはグーグルは教えてくれていませんが、最近の傾向からユーザーエンゲージメント(愛着度)が高いページが検索意図に沿ったページ、クエリとの関連性が高いページであるとGoogleが判断して検索順位を決定しているのは紛れもない事実です。
ウェブページに愛着があれば、滞在時間は長くなるでしょうし、他のページも見たいと思うことでしょう。愛着度はグーグルアナリティクスで確認ができます。
Googleはフェイクしてた?
Googleは過去一貫して「ユーザーエンゲージメントが高いかどうかを判断して検索順位を決めるというアルゴリズムは無い」と公式に発言しています。弊社も当初はGoogleの発表を鵜呑みにしていましたが、あまりにも辻褄が合わない出来事が起こり続けていたので、会員の皆さまには、3月12日のコアアルゴリズムアップデート以前は、順位変動に関して「答えられない」と言っていました。
弊社が答えられないと言っていたのは間違いないことで、Googleは近年ユーザーエンゲージメント = ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)は検索順位決定要因になってきていることを認めるようになってきているからです。
決定的だったのは、「Googleのスタッフがユーザビリティーとユーザーエクスペリエンスは検索順位決定要因であると説明」という2019年2月のニュースです。
Webサイトのデザインはユーザーエクスペリエンスに影響を及ぼすので検索順位決定要因になり得ます。これは「ソフトな」検索順位決定要因です。
このニュースでGoogleの主要3大アルゴリズムである、
- 被リンク
- コンテンツ
- RankBrain(Googleが開発した機械学習型の人工知能)
のようなハードな検索順位決定要因と比べるとソフトなものでしかないということですが、この3つのハードなアルゴリズムによって検索順位を算定しても同じような点数になった時に優劣をつけるために利用するのがソフトな検索順位決定要因であるユーザーエクスペリエンスだということです。確かに2つのWebサイトの被リンク数が同じで質も同じで、かつ文字数やキーワードの出現頻度が同じ程度だった場合、どこかで優劣をつけないといけません。
元々グーグルは、エンゲージメント(愛着度)は検索結果に関係ないと言っていましたが、ここに来てエンゲージメントは関係があると言い出しました。なぜ、グーグルはフェイクしたのでしょうか?
ユーザーエンゲージメントが高いWebサイト、つまり平均ページビューが多く、サイト滞在時間が長く、直帰率が低いサイトを直接的に高く評価する方式をとってしまうと不正を行う業者が出てくる可能性があるからです。
ユーザーエンゲージメントの指標
ユーザーエンゲージメントとは、検索ユーザーがWebページに抱く愛着度のことです。
Webページの愛着度を
- 平均ページビュー
- サイト滞在時間
- 直帰率
という3つの数値を中心に計測していると推測出来ます。なぜなら、検索結果ページ上でクリックして訪問したウェブページが検索ユーザーが期待しているもの(意図しているもの)と異なっていたらそのユーザーは1ページしか見ないでGoogleの検索結果ページに戻るはずです。そうするとサイト滞在時間は非常に短くなります。さらに、1ページしか見ないでGoogleの検索結果ページに直接帰ってしまうので直帰率が増加します。
反対に検索ユーザーが期待しているものに一致しているウェブページを訪問したら、ユーザーはそのページだけでなく、そこからリンクされている関連ページを見る可能性が増すため平均ページビューは増え、色々なページを見ているうちに時間が経つのでサイト滞在時間は長くなり、直帰しなくなるので直帰率は下がることが考えられます。
この3つの指標はGoogleアナリティクスの「ユーザーサマリー」のデータにある
- ユーザーあたりのセッション数 → 平均ページビュー
- 平均セッション時間 → サイト滞在時間
- 直帰率 → 直帰率
という部分にそのまま表示されています。
ユーザーエンゲージメントが高いウェブサイト
上のグラフは、弊社が管理し解析しているウェブサイトで、最もエンゲージメントが高いと思われるウェブサイトのグーグルアナリティクスユーザーサマリーです。
ページ/セッション・平均セッション時間もかなり優秀ですが、最も驚異的なのは直帰率の2.96%です。通常、直帰率は30~40%前半ぐらいなら合格ラインで、グーグル広告などを利用すると一般的に悪化する傾向ですが、3%以下という直帰率は弊社会員様の中でも異次元の結果です。
SEO対策の今後
現在の検索結果に満足されている方においては、これからも今まで同様のサイト運営を、不満のある方は、エンゲージメントを高めるサイト運営を行なっていけば自ずと結果は出るといえます。
今回の件で、いかに世の中の情報が憶測でしかなかったか、根拠がないことを発信しているコンサルタントやSEO業者が多かったのかわかったのと同時に、AIは相当なレベルで精度を上げて利用されていると感じました。
多くの会員の方においては、これからも今まで同様のサイト運営を行なっていってください。但し、ライバルたちもサイトの愛着度を上げて来ると思いますが、AIは人間同様、データー収集解析能力は、人間以上だと理解し、小手先テクニックなどを探そうと思わず、コツコツとサイト運営を継続していきましょう。
この記事の監修 : 浅野 幸延 (建築士/コンサルティング・広告全般担当)プロフィール